唇を軽く合わせただけで、夢見心地の溜め息をつく。舌ったらずには漏らした。
「大人になったら、続きをするのね…」

 は今、自分を十の子供と思っている。あの頃のものとは似ても似つかぬ健やかに育ったその身体を、どう理解しているのかはわからない。案外セルフイメージに合わせて、実像とは違う自分がその目には「見えて」いるのかもしれない。人の頭はそんな欺瞞が大の得意だ。
 だがそれもせいぜい明日までのこと。をそんなちぐはぐなことにした薬も今夜飲ませたものが最後だ。
 なのにそのたった1日がどうしても待っていられなくて、銀時はつい、訊いてしまった。
「大人になるまで、続きはイヤか?」

 の大きな目がぱちりと見開き、風呂上りのつやつやした頬が暗闇でもわかるほど真っ赤に染まる。
 銀時への気持ちといくばくかの好奇心、そしてためらいがせめぎあい、けれどもついには首を振った。
「…ううん」
 イヤじゃない。





 濡れた唇の動くのを見たら大人も子供も何もなくなった。銀時の頭は沸きあがり、腕の中の…すっかり育っているとはいえ自分に比べれば十分に小さな身体を抱きしめた。
「ふわ!ぎ、銀ちゃん?!ま、待っ…む、んっ、むむっ…!」
 驚いてもがくを羽交い絞め、身体を重石に動きを封じる。そしてそれまでよりずっとずっと深く唇を重ねてやった。
「む、むがっ…んんんんっ?!」
 閉じようとする唇をこじあけ遠慮なく舌を差し入れる。緊張で乾いた口の中をくまなく舐めて濡らしてやる。ここへ来てから今日まで毎晩、そっと触れるだけのキスで済ますのに理性はどれだけ頑張っていたか。
 手は性急に裾の中へ。むちむちと肉のついた尻をあちこちでたらめにまさぐった。優しく撫でただけで眠る為にどれほど我慢が必要だったか。
 自分の中にたわめられた欲望を銀時はがむしゃらにぶつけた。揉むのではなくまるで痛めつけてでもいるよう。離した後の尻たぶにはくっきりと指の跡が散っていた。
「ん…っ、ん、んっ…!かはっ!?」
 唇がやっと離れた瞬間は大きく息を吸った。
「まっ、待って…、こんな…」
「あん?」
 聞こえない。酸欠で目を回しそうなの今度は頬へ口づけた。
「ふにゃっ?!」

 大きく開いた唇でほっぺたをやんわり噛むように。くわえた肉をちゅうちゅうしゃぶる。久々に味わうの肌だった。鼻の頭も、額も、唇も。あっという間に顔中をよだれまみれにした。
 が呆然とこちらを見ている。疑問と戸惑いの渦巻く視線にようやく銀時も気がついた。
「ん?ああ、そーか。そこから教えてやんなきゃなんねーのか」
 このは、それを教わる前のだった。

 頬から耳へ唇を這わす。やはり耳たぶも口に含んで、くちゅくちゅうるさい水音と声を一緒に聞かせてやった。
「大人はこうやってちゅーすんの」
「そ、そうなの…?」
 怪訝な顔だが心配は要らない。舌先を穴へ突っ込まれて、はぞくぞく身を震わせている。
「は、はうぅぅ…」
「聞いてるか?」
「ひゅんっ、ん、うん、うん、きいてる、きいてる…」
 背が弓なりに浮いていた。つま先が細かに震えていた。の好きな場所は変わらない。感度も十分。身体は銀さんをよーく覚えているというわけだ。
 銀時は内心ほくそ笑み、直後自分の月並みさとオヤジ臭さを少し反省した。


「ん…、ん、わかっ…た…ぁ…おとなのちゅーなのね…」
「そういうこと」
 「おとな」と聞いて子供心がくすぐられたらしい。それからのは懸命な努力で銀時のなすがままにされた。口を引き結びぎゅーっと目を閉じ、羞恥心を必死に抑え込む。浴衣の前をはだけられても、乳を揉まれても吸われても。
 隠そうとして隠しきれていない怯えが銀時を悦ばせているとも知らず。

 まったく、は自分のこの身体をどう理解しているんだろうか。はじめの疑問が頭をよぎる。子供のものではありえない丸みを両手で絞り、持ち上げる。自分で寄せて作った谷間に銀時はぱふっと顔を埋めた。
 緊張と警戒での息は途切れがち。左右順番にしゃぶりつかれると呼吸はますます浅くなった。
「はっ…あ、はぁ…、銀ちゃん、銀ちゃん…、これも…?」
「ん?そだよ?おとなの」
「ん…そう…、う、うう…」
 それを言われては喉元まで出かかっていた言葉を飲み込んだ。
 これはいい。を黙らせる魔法の言葉だ。唱え方が何気なければないほどよく効く。
「ん…、んんん…うう…」
 つんと恥ずかしく勃ってしまった突起をぴこぴこ弾いてやる。眉を寄せ、身をよじりながら、それでも必死に泣き言を飲み込むに胸が熱くなった。

 焦らしているのも苦しくなって、銀時はの内腿を撫で上げた。
 熱い潤みを期待して指先はさらにその奥へ。
 ところがだ。
「うわわわわわわわっ!やだなにっ?!」
「へ?」
「なんでそんなとこさわんの銀ちゃん!」
「は?」
 今度ばかりはが身を引いた。



 突然正気に返ったようにはじたばた全力でもがいた。それ以上手を入れられないよう、屈めた両足を抱えてしまった。
「ちょ、おい、なんで…っておめぇ、続きをだな…」
「そこは続きと、かんけいないでしょっ!」
「んんんんん?」
 意味のわからない豹変ぶりだった。

 どこでボタンを掛け違えたのか、銀時は手順をいくつか戻ってみた。
「え?続き…していいんだよな?」
 ここではは間違いなくこくんとうなずいてくれた。

 布団の中で抱きしめてやる。たっぷりと唾を行き来さす「おとな」のキスも嫌がらない。乳房に顔を埋めると、恥ずかしそうに、だが生意気に、は銀時の頭を抱いた。
「銀ちゃん…大好き…」
 思いのこもったその言葉に銀時のほうが声を失う。股間に隆々と勃ったモノをすぐにもぶち込んでやりたかった。


 だがふとそこで訊ねてみた。
「なぁ。『続き』って何ヤるかわかってる?」
 目を合わせると赤い顔がうなずく。
「こうやって、はだかでぎゅーってして、お布団の中で抱き合ってごろごろするんだよ。そ、それで…、それから…、えっと…、銀ちゃんが今やってるみたく、お、おっぱいなめたり、するんだよね」
「で?」
「で?」
 先を促されてもはきょとんとしただけだ。
 きょとんとしたいのは銀時だった。
「…え」

「え?あ、いやいやいやいやちょい待ちちょい待ち。じゃすたもーめん。え?え?ちゃん?え?いや、あのね?ん?」
 んんんん?


 銀時はひとまず身体を起こした。も追いかけ起き上がる。が、あらわな肌を隠すそぶりもない。真っ暗闇の気安さとはいえ、少々恥じらいに欠けやしないか。
「あ、そうか」
 このは十のなのだった。
「もしかして、続きに何すんのか知らねぇ?」
「?」
「男のナニを使うとか、女のドコを使うとか…」
「?」
「あぁ、そーいうこと」

 やっと理解した。
 耳年増だとばかり思っていたが、が正確な知識を得るのは田舎へもらわれたこの後だったのか。
 どういう状況でそれを知ったのかかなり気にはなるが今日のところはいい。



「銀ちゃん…?」
 何か怒らせてしまったのかとが不安げに窺っている。あわてて顔を和らげて銀時はを抱きしめた。
「あぁ違う違うそうじゃねえ。お前寒くねぇ?」
「う、うん…?」
「そーかそーか」
 ちゅっと額をついばんでやると、銀時は壁際に置いてある扉の壊れた戸棚から懐中電灯を取り出した。
 スイッチを入れ傍らへ置くと壁に光の丸が浮かぶ。こぼれた明かりでおぼろげに互いの姿も見えるようになった。
 はしょんぼり困り果てている。笑顔で安心させてやろうとしたのだが、「にっこり」のつもりが「にへらっ」と、いかがわしい笑みしか浮かばなかった。

「続きってのはそうじゃねーんだよ」
「そ、そうなの?」
 興味津々引き込まれるを良識ぶってわざと突っ放す。
「知らねえなら、おめーにゃまだ早いってことかもな」
「そんなぁ!」
 狙い通りは食いついた。ちょろい。
「早くないよ。ちゃんとできるよう、銀ちゃんが先に言ったんだよ?続きしようって銀ちゃんが言ったんだよ?」
「でもなー。ホントのこと知ったらおめービビっちまうだろうしなー」
「びびんないもん!」
「ええぇ〜?どうだか」
「銀ちゃんのいじわる!」
「うお?!」

 がむしゃぶりついてきた。大きな胸をたわんと揺らし、力いっぱい抱きつかれると胸板で乳がむにゅっとつぶれた。
 受け止めた腰も優しく丸く、すっかり銀時はやに下がっていた。
 そうとは知らないが訴える。
「ねぇ、おしえてよ。おしえてくれればにもできるよ、ちゃんとした続き、ねえ、してよう」
「ん〜?でもおめぇ途中で泣くんじゃね?」
「泣かないよ!」
「んん〜」

 さんざもったいぶった末、最初っからの目論見通り銀時は仕方なさそうにうなずいた。






 あぐらをかいた銀時と、ちょこんと正座をしたが布団の上で向きあった。
 銀時が真面目くさった顔で最後まで穿いていた下着を脱ぎ捨てる。ついさっきまでは臨戦態勢にあったモノも、がちゃがちゃ揉めているうちにぐったり半勃ちまで萎えていた。
「お前も早くそれ全部脱ぎな」
「う、うん…」
 そこまでは納得済みのようで、もそれほど抗わない。帯1本でひっかかっていた浴衣をはいで放り出し、下穿きも脱いでおとなしく素っ裸になった。
 銀時が一歩にじり寄る。
「そんじゃあ大事なトコ見せっこ」
「うぇ…?」
「情けねー顔すんじゃねぇよ」
 縮こまり気味の腕を引いてやる。けれどもは顔だけそむけてあさっての方を向いたままだ。
「ちゃんと見んの」
「み、見るって…どこを…」
「銀さんのチンポ。どうなってる?」
「ち…、だ、だから、なんでそんなとこが関係あるのっ?」
「ばーか。関係もなにもココが一番大事なんだろが」
「?」

 それでも股間からは目をそらしつつ、がおずおずこちらを向いた。
「あのな、抱っこすんだろ?ちゅーすんだろ?その後は…っつーか最後は、コレをおめーのまんこに突っ込むの」
「ま…」
 思わず目を見開いたはずみにそれをばっちり見てしまい、短く「ひゃっ」と悲鳴をあげてがとっさに目を覆った。


 だがやがて。
 覆った手の中で目が開いた。
 ちらり、またちらりと瞳が動く。
 そのうちゆっくり覆いがはずれた。
 好奇心が恥じらいにまさったようだ。

 銀時はまた少し傍へ寄った。ひざとひざとがぴたりと触れてもは逃げたりしなかった。
「ほら、よーく見な」
 おそるおそる見て、すぐに目を逸らす。
 途方にくれた声がした。
「お風呂の時と…なんかちがう…」
「そうそう、よーく見てんじゃん。に挿れる用にこんななってんの」
「そんなの…入るとこなんかないもん」
「入るんだよ。ちゃーんと入る穴があるの」
「…おくち?」
「あぁ、それも悪かねーけどおやつ的なカンジだな。美味いけど主食とは別っつうか…」
「意味わかんない」

 ちらり、またちらりと逡巡の末、はとうとう銀時の股間を、自分からしっかり目に入れた。
 薄く黄色いほのかな明かりにの真っ赤な顔が浮かんだ。
「はわ…」

 銀時の下の毛の中から、肉色がむっくり頭をもたげている。今見た時よりそれはまた形を変えたような気がした。
「…大きくなった?」
「こんなもんじゃねーよ。もーっとでっかくなるからな」
 そう言う間も股間の一物はの視線に感応するかのようにわずかずつ膨張した。
「そんなの…、ぜったい入らないもん…」

 消え入りそうに言うのはおいて、銀時が手招きをした。
「さわってみな」
「えっ?それ?その…」
「そーだよ。銀さんも今おめーのアソコさわろうとしたろ?」
「う、うん…でも…」
「ほら」

 ひざを立てた足を開いてやる。間へ這ってきたに股間をまじまじ見つめられ、さすがに照れくさくなくもない。
「なぁ」
「うん…」
 銀時の声の思わぬ甘さにはどきどきしてしまった。声に誘われ勇気付けられ、おずおず右の手を出すと、さっきよりもまたわずかに持ち上がった性器をつんとつついてみた。
「ん…」
「銀ちゃん?どう…?」
「そんなもんさわったうちに入るかよ」
 余裕たっぷり笑われたようにには見えたが。


 の顔がぐっと近づいていた。しゃべればそれに息がかかるほど。
「ほんとにこれが、入っちゃうの?」
「そーだよ」
「ほんとに?こんなに太いのが?」
 切れ目の見える先端に人差し指の腹で触れる。
「わ。ぴくんてした」
「遊ぶもんじゃねーぞ」
「ご、ごめんなさい…」

 頃合を見て銀時がの手を取り棹を握らせた。
「熱い…」
「もっと熱くなんだって」
 の手を上から包むように自分自身を包ませた。一度教えれば手を離してもはそれを握りしめたまま。意図をよく察する良い生徒だった。
「こう」
 ふたたび手を添え力を込めさせ、それから力を弛めさせる。

 ぎゅっと握り、弛める。握って、弛める。
「わ、わわ、わわ…」
 手の中でそれは勃起した。皮膚が突っ張るほど太く腫れあがり、支えもなしに高く反った。がごくりと唾を飲んだが、息の荒いのはだけではない。
「ね、痛くない?痛くないの?真っ赤だよ?おしっこ出ないの?だいじょうぶ?」
 知らないうちに握りしめた手を上下させることもは覚えていた。だが、黙りこくった銀時を案じて、しごく手は急に止まってしまう。今度は猛り勃った肉棒に触れるか触れないかの微妙さで撫でた。生殺しだ。

 その手を払うと勘違いしてが小さくなってしまう。先端ににじんだ滴にも驚いて目を見張っていた。
「ぎ、銀ちゃん、どうしよ、だいじょうぶ?」
「…もういい」
「苦しいの?ごめん、まちがった?ごめんね、ごめんね、お顔真っ赤だ。ごめん」
 下から覗き込んでくる顔をとてもそれ以上は見ていられずに、銀時はを抱き上げた。
「うわわっ?」



 足の間にを座らせ、背中からすっぽり抱きすくめる。白いうなじへ額をついて、ただはぁはぁと熱い息での素肌を湿らせた。
「ねえ、だいじょうぶ?もうへいき?」
「うるせぇ」
「ひゃっ?」
 両足をの足に引っ掛け、ぱっくり大股開きにさせた。逃げようとしてももうさせない。
「これが…な?」
 腰にぐりぐりと硬いモノを押し付ける。
「これがどこに入るか教えてやるよ」
「やん、なんかあたる、あたってる、なんかじめじめする」
「じたばたしないの」
「やっ!待ってまって、やだ、やだ、そこ、やだっ!」

 を抱くのを左腕にまかせ、空けた右手を前へ這わせた。
 閉じられずにもがく足を愉しみつつ、ゆっくり目的の場所を目指す。臍から下腹部を下りた指は、じきにとろりと溶けきったの中心にたどり着いた。
 触れたとたんにの腰が浮く。
「ひっ…ん」

 まずは表面で円を描き、湧いて出る蜜を指にまぶした。ほかほかと温まり、濡れそぼるそこに笑いが止まらない。
「ん〜?なんだこれ?おもらしかァ?」
 指先でぱたぱた叩いてやると、ぴちゃぴちゃ水の撥ねる音がした。
「違うよ、違うよ、おもらしなんかじゃ…」
「わかってるよ」
 ちゃーんとこれも、教えてやる。

 の身体はそれまでの行為に間違いなく反応していた。いまだ学習していなくても、身体のほうは潤んでほぐれて銀時を待ち焦がれている。
 敏感な種が抓まれても腰を浮かせて悦んだ。
 かろうじて抵抗するのは口だけだ。
「や…、さわ、さわっちゃだめ…そこ、だめ、だめぇ…」
「痛いか?」
 だがは目を逸らす。訊くまでもなかった。
 こんなにも腫れて、莢から今にも顔を出しそうな粒が何をされても痛いわけがない。銀時はよく知っている。

「いいか?にはな、ションベンの穴とケツの穴の間に、もひとつ銀さん専用の穴があんの」
 直截的な物言いをは嫌がり眉をひそめる。けれど膣口へ添わせた指は、粘膜がひくりとうごめいたのを見逃さない。
「入んない…。そんな太いの、どこにも入んないったらぁ…」
「入んだよ」
 一気に根元まで指を挿れた。
「………っ!」
 声も出せずに仰け反る。だがその顔は少しも苦痛を訴えてはいない。気分を良くした銀時は熱と粘液に包まれた指を何度も何度も前後させた。中でくいと曲げ天井を引っかき、手のひらで芯を押しつぶした。
「や…っあ、あ、ああっ…んんんんっ!」
「わかるか?指が入っちまったよ?こーんな奥まで入んだよ?」
「ひゃあああんっ!いや、いや、いやっ、それ、いやっ、いやっ」
「なんで?痛い?痛かねぇよな?大好きだろ?」
 くんくん、ひゅんひゅん仔犬のように鼻を鳴らし、甘えているのは間違いない。それでもは懸命に首を振りまわした。
「なんで?もうイヤ?続きイヤか?」

 蚊のなくような声がした。
「変…変なの…」
 ぶるぶる肌を震わせながら。


 これ以上、絶対無理と思うのに。太い指が本当に入っただけでも息が止まるほど驚いているのに。
 異物を受け入れられたばかりか、もっともっと奥へ飲み込みたがって中は大きくうねっている。
 けれども欲しいところへは届かない。疼いてならない場所に届かない。
 指でどんなにかき回されても次第にもどかしくて仕方ない。
「こんなの変…おかしいよう…」
 喉を反らせて唇をねだる。何かを紛らせるかのように夢中で銀時の舌をむさぼった。
「指じゃ足りねんだろ」
 首を振っても中は締まった。
「無理…、むりだよぉ…だって…」
「今はな、この指1本できつきつだけどな、2本目挿れりゃあ入っちまうんだよ?」
「はいんないぃ…」
「あっそ」
「んーっ?!」

 ふたつも増やされてしまった指をはやすやすと受け入れた。蜜をだらだらあふれさせながら。
「んっ、ああ、あっ、あああんっ、やだ、やだ、むり、もう、やだ、よう…」
「ん?どう?わかった?入るだろ?ここはな、銀さんをくわえこむために、いっくらだって広がんの」
「ひ、ひや、や、やああっ、こわれちゃう、こわれちゃう」
「んなわけねーよ。つか足りねえだろ、こんなモンじゃなァ?」
 手首から先をぐるんとひねった。
「あ、いっっ!」
「欲しいだろ?もっとぶっといのに奥までぶっ刺して欲しいだろ?な?おら、言えコラ」
「んや、い、いた、いたっ!?」

 無理矢理にでも言わせなければ銀時ももう限界だった。




 突き飛ばすようにを寝かせた。仰向けに放り出された足を乱暴に広げて間へ割り込んだ。
「どうかな、見えっかな…、お前もうちょっと起きろ」
 横たわるの腕を引く。顔を起こせば足の付け根に、蔭りの先に銀時自身が、今にも犯されようとしている自分がにも少しは見えるはずだ。

 朦朧として抵抗はない。ただただ熱い視線を感じながら、銀時は自身をにあてがった。
「んっ…」
 狭い割れ目をみりみりと押し広げ侵入していく肉塊。の愛液で玉が濡れるまで、ゆっくりと深く突き刺した。
「くは…」
 はあぁぁぁ…と長い長い溜め息とともによだれがこぼれる。に絞め殺されそうだった。

「どう…、入ったろ?」
 圧迫感に眉を寄せ、だがは憑かれたような目を結合部から離さない。その目には見えているだろうか。男の太さに広げられた口が、痛々しくてそれだけに卑猥だ。
 銀時は腰を引いてやった。白い泡をまとわりつかせた杭が先端近くまであらわになり、そして深々と突き戻された。ぐちゅっと粘りきった音をさせて。
 また腰を引き、突き戻す。杭を抜いては奥まで埋める。
 濡れた肉杭に幾度も幾度もそれはうれしそうに突かれる自分に、はとうとう顔を覆ってしまった。

 だがすぐその手を銀時が払う。
「でも…でも…」
「隠すの禁止。気持ちいい顔なんで見せねーの」
「きもちよくなんか…」
「あれぇ?よくねーの?」
「わ、わかんない…わかんない…けど…」
 だが戸惑いつつ吐く息は艶めかしさを増しているし、身体はもっと乱暴にされたがっている。

「こうか」
 を布団へ押し倒し、ぎゅっと挿入を深くしてやった。
 間近にの潤んだ目がある。いつもと同じに感じている目。
「んくっ」
 うなじに吸い付き、乳房へ噛み付き、しながら腰をかくかく突いた。肌と肌とがぺたぺた鳴った。
「んふっ、ああっ、ああんっ、やん、や、やんっ、やだ、やだっ…」
「うっそ。ヤじゃねぇ」
「銀ちゃん、銀ちゃんっ」

 の手が何度か宙をつかみ、とらえた銀時の頭を抱きしめる。胸をくすぐるくせ毛をかきまわし、はらはらと髪を振り乱した。
「ん、んん、んっ、ん、はぁっ、はんっ、ん、止め…止めて、止めて…だめ、、おかしい、おかしーの」
「止めるかよ」



 自分の中が銀時のなにかではちきれそうなのがにもよくわかった。
 息が止まるほど抱きしめられて、なにかがその時壁にぶつかる。疼いて仕方のなかったところだ。
 それをされると喉の奥から大人の人のような声が出た。かすれて、うわずり、艶っぽい…街を歩くと時折り聞こえるよくない声。
 あれが自分から出ているなんて。
「イキそう?いいよイっちまえ、のイクとこよーく見せてみ」
 銀時の顔もその声もいつもと違っては少し怖い。なのに耳たぶをしゃぶりながらの甘い声に腰から震えが走った。
「あ、ああ、あっ、もう、もう、変、もう、や、やだあ…っ!」

 波にさらわれぎゅっと目を閉じた。
 力いっぱい銀時を抱きしめる。指の先まで引きつり、突っ張る。
 足が伸びきるのとほとんど同時に、熱い飛沫を中に感じた。






 芯の痺れがようやく止む頃、は身体の上へのしかかる重たいものに気がついた。
 ぐんにゃり手足を投げ出して銀時が荒い息をしている。息が整うまでの間に、下敷きにされてしまったは匂いまで堪能しつくされた。
「…なあよ」
 さらっさらの髪をもてあそびながら、やがて優しく教えてくれる。
 猫なで声は穏やかすぎていっそ怪しいほどだった。
「わかった?これが『続き』な。大人はこーいうコトやってんの」
「うん…」


 はぼんやりうなずいた。
 不思議なことにずっと前から知っていたような気がしたけれども。