部屋に残ったのは水音ばかり。扉をへだてた風呂場のと、皿を洗っているこの水道のと。
 銀さんの耳はついさっきまでのどんちゃん騒ぎをまだ覚えていて、静けさが逆に落ち着かなかった。

「ふう、いいお湯でしたあ。おさきにぃ」
 やがてぺこんと安っぽい扉の開く音がして、ほかほか湯気をまとわせた金魚の寝間着があらわれる。
 けれども流しに山積みの皿へはちらりと目をやっただけで、さっさと歩いていってしまった。片づけ中の銀さんになんの言葉をかけるでもなく。
 ずいぶんそっけないと感じたのは思い込みというものだろうか。
 と入れ替わりに湯へつかりながら、むしろイヤ〜な緊張感で銀さんの身体は冷たくなってきた。


 今夜ここ「万事屋銀ちゃん」では、銀さんにかこつけた宴会が盛大に催されていたのだった。言った覚えもない記念日をどこからともなく聞きつけてきて、飲むわ歌うわのバカ騒ぎ。
 いや、それはいい。タダ飯タダ酒させてもらって銀さんだって楽しんだとも。
 問題はその宴会に、珍しくが居合わせたことだ。
 相手かまわず所かまわず、なんなら銀さんの大好物のいちごパフェにも目をつりあげる、超絶ヤキモチ妬きのが。

 もちろんはたから見てわかるほどふてくされたりする娘じゃない。むしろ非の打ち所もないほど場に溶けこんではいたのだが。
 キャラの濃い面子が楽しむ様を半歩遠巻きに見ていたその目は、微塵も、笑っていなかった。

「…よし!」
 ざば!と水をきって湯船を上がる。両頬をぴしゃりとひっぱたき、銀さんはあらためて気合いを入れた。
 せいぜいお姫様の機嫌をとらねば。なんならカラダにモノをいわせてでも。

 だけども役にたつだろうか。
 銀さんの銀さんすっかりちぢこまってんですけど。






「銀ちゃんはほ〜んと人気者ねぇ」
「はい来たァ…」
 ちくりと予想通りの針に、銀さんはさっそく身構えた。
「はい?なあに?」
「はは、なんでもねえ。こっちのハナシ」

 和室の灯りはもう消されていた。表のネオンが常夜灯代わりにほんのりとを照らしている。準備万端整えた布団の端へ正座して、まるで今から説教でもするかのようなたたずまいだ。
「い、いやいやいやアイツらにゃ参ったよ、人をダシに騒ぎてぇだけの連中でよぉ」
「きれいどころにかこまれてさぞかし楽しかったでしょうねぇ」
「ぶはっ!おめーなに言ってんの?あれがキレイドコロ?ふざけろよおめぇ、キレイドコロっつーのはなァ…」
「みんな美人さんだよねえ。それにひきかえなんか、なんのとりえもない地味な町娘で…」
「いや聞いてる?つかおめー心にもねえこと言ってんじゃないよ。あきらかにこの中で自分がいちばんカワイイって思ってただろが。銀さんわかってんだかんな?おめーはそーいう娘だよ」
「プレゼントもたくさんもらってたね」
「聞けっつの」
「いいのよ。はしがないまちむすめ。こいびとのおたんじょうびなのに、がプレゼントできるものなんて、せいぜいこのからだくらい…」
「………」

 どこか自分に酔った調子で、は芝居っけたっぷりに悲しげな顔を伏せてみせた。
 しかたない。気の済むまでつきあってやるか。
「ひゅ、ひゅーっ!サイコー!『プレゼントはワ・タ・シ』ってヤツぅ?オトコの夢だよネ!ちゃんやるゥ!」
「ううん、銀ちゃんの言いたいことはわかってる。そんなのもう飽きちゃったよね」
「いや言ってねーし!」
「そう思って、せいいっぱいがんばったんだけど…」


 「話を聞け」とさらに言いかけて、だが銀さんは口を半端に開けたアホ面で固まった。
「………?!」
 がかたわらに立ち上がっていた。あぐらをかいた銀さんに下腹部をちょうど見せつけるように。何度も水をくぐった浴衣は身体にしんなり巻き付いていて、ふっくらとした土手の盛り上がりが布の上からでもよくわかった。
 その布も突然消えてしまう。
 しゅるりと帯が、そして浴衣が足元へ脱ぎ落とされたのだ。

「…そ、それ…」
 下品なネオンの紫色にのかたちが浮かんでいた。
 ほんのすこしだけ居心地悪そうに両手をもじもじさせながら、それでもの幼い顔立ちとアンバランスな曲線は夜目にもくっきり見ることができた。
 たっぷりとした胸のふくらみ、ひかえめなくびれ、丸い腰。
 そしてそのふくよかな肢体には、限りなく「紐」に近い下着が、蔦の這うようにからみついていた。



「あ、おま、そ、それ、それ、お、おま、それ…、そ、それは…」
「えへへ。つうはんで買った」
「そういうコトは聞いてねえ!」
 「一糸まとわぬ」よりタチが悪い。つんとたちあがった胸の突起と淡い股間の茂りだけが、小さな小さな白いレースで申し訳程度におおわれている。ただしおおっているだけで、まるで隠されてはいないのがまた。
 さすがにも恥ずかしくなったのか、銀さんの凝視から逃げるようにぴたりと腕に抱きついてきた。むちむちと深い胸の谷間に左の腕がはさまれる。
 むにゅう。

「「ううん、言いたいことはわかるよ。たちも長いつきあいだもんね。たいていのぷれいは経験済みだもんね。いまさらえっちな下着くらいじゃ興奮なんかしないよね」」
 煽られているのはあきらかなのだが、銀さんも想定外のせくしーらんじぇりーにくぎづけで、そこをツッコむ余裕がない。

「「うん、わかってる。銀ちゃんがそう言うと思って…」」
 耳までおかしくなってきたらしい。の声が二重にぶれて聞こえる。
「…や、だから…、い、い…、言ってねえって…」
 やっとのことで搾りだした声も、直後「右腕」を包んだ感触に、あえなく宙へ消えてしまった。
「……………え?」
 むにゅう。


 銀さんの腕を谷間にはさみ、左から大きな黒い瞳がきらきらこちらを見上げている。
 そして同じく胸の谷間に銀さんの腕をはさみこみ、右側からも大きな瞳がこちらを見上げ輝いていた。
「銀ちゃん」
「銀ちゃん」
「「プレゼントあげる」」

 宴会のあいだ貼りついていた作り笑顔は見る影もない。ほんのり桜色に頬を染め、恥じらいと少しのいたずら心と、そして誇らしげな微笑みを
 どちらのも浮かべていた。

「…え?」

 えええええぇぇぇぇぇぇぇ?!







「「きゃー!やったやったびっくりしたぁ〜」」
 たゆんふるるんお肉が揺れる。左右のが手に手をとりあい大喜びで飛び跳ねた。
「「どっきりだいせいこう〜」」
「…え?え?ちょい待ち、えっ?これどういう…」

 いいやワケなど聞くまでもない。たった今が言ったばかりだ。
「プレゼント…?」
「「うん」」
「銀さんに?」
「「うふっ、そーよ!」」
 銀さんはそれ以上訊かなかった。その気さえあればどんな悪ふざけも具現化できるのがこの街だ。
「「さすが銀ちゃん。話がはやくてたすかるぅ〜。まあね、くわしくは言わないけども、天人のパーティグッズ的ななにかとだけ」」
「じゃあ機嫌悪そーにしてたのは…」
「「銀ちゃんびっくりするだろうなーって。ついついお顔がにやにやしちゃってがまんするのが大変だったよう」」
「なんっだそりゃ!お前…いや、おめーらな、銀さんがどんだけヒヤヒヤしてたと…」
「「それにね…」」

 両の耳元へ唇を寄せられ、不覚にも銀さんはどきっとしてしまった。たった今ぴょんぴょんはしゃいでいた小娘たちとはとても思えない、媚をふくんだささやきに。
「…このあとたち、たくさんえっちなことするのに、みんな知らないんだって思ったら…」
もう胸がどきどきしちゃって…」
 はふ…と熱いためいきが銀さんの耳をくすぐった。
「前戯に入ってたんじゃねーかこのエロ娘ども!」


 だが銀さんもぎゃんぎゃんと良識ぶっていられたのはそこまで。頬に可愛いキスをくらってたちまち鼻の下がのびた。左からちゅっ。右からちゅっちゅ。目玉が同時に左右を見ようとして絵的にヤバいことになる。
「ぐぬ…」
「銀ちゃん大好き」
「だあい好き」
 甘ったるい声もサラウンド。にぶら下がられた両腕は思ったように動かせなくて、まるで拘束されているよう。不自由な身体へこれでもかと大好物ののおっぱいをおしつけられる拷問だ。
 理性がふわふわとろけさせられほどよくどこかへ飛んでいく。
「ちょ、それ、いや、ちが、そーじゃなくて、おま、それ…」
 うわごとばかりの口がふさがれた。唇がぴたりとあわされて、すきまからの舌先が楽しそうに中を舐めまわした。
「ん…、ふぁっ…あっ…」
「んふっ」
 深く吸いついては離れ、離れてはまたかみつくように、よだれがこぼれるのもかまわずに何度も深く口づけられる。
「あーっ!ずるいずるい、もちゅうするぅ〜」
 をおしのけ奪うようにが銀さんの唇を舐めた。たれたよだれをぺろぺろと。
 するとまたが奪い返して、銀さんは息を継ぐ暇もない。

 そのうちどちらかのの手が銀さんの胸元をはだけにかかった。とっさにその手はつかまえたのだが、その隙に別のの手は帯をほどこうと腰で動いていて、銀さんひとりでは追いつかない。みるみる着物ははぎ取られ、ズボンの前も全開に、銀さんは下着まるだしのあられもない姿にむかれてしまった。
「ちょ、ちょちょちょおめーら…」

 ひも1本をまとわりつかせた裸より露出の多い身体が、そんな銀さんにのしかかってきた。
「むぐっ…?!」
 胸のまるみで顔がつぶされた。ひとりはふとももにまたがって、さらに動きを封じている。こころなしその中心は湿って、それに気づいた銀さんは形ばかりの抵抗すらもだんだんばからしくなってきた。


 そのうち銀さんはたちのされるがままになっていた。
 両手は左右から誘われて、夢中で乳房をもんでいる。
 求められればキスをしてやる。
 銀さんの荒い息づかいに、時折のせつなげな声たちも混じりはじめていた。
「は…」
「ん、あんっ…」
「ふあっ…」

 やがてふわりと股間をなでたのはどちらのが先だったろう。
「「銀ちゃん…」」
と…」
「ううん、で」
「「もっとたくさんあそびたくない?」」

 とっくに下着も脱がされていて、無様に勃起させられたモノが銀さんよりも正直に答えた。







 天井を向いて勃ったものを、ふたりが無心に舐めていた。取り合うように顔をくっつけ、無邪気にぺろぺろ、ぺろぺろと。無邪気でなんてありえないのに、そのつたなさが反対に銀さんの胸をちりちり焦がした。
「おおっふ…」
「きもちいい?」
「ねえこれはこれは?」
 指のわっかで根元をぎゅうっ。
「うほっ」
 目からぱちぱち星が出そうだ。
「むぅぅ。だって」
 負けじとが袋をしゃぶった。
「うひっ?!ひひひ、それは、それはやめて」
「ええ〜?そうなの?」
 「じゃあ」と、先端をちろちろ。
「おおっ、それそれ、いい」

 顔ごと大きく動かして、が根元から竿を舐めあげる。反応が良いと真似をするので、キモチイイことはすぐ倍になった。
「ふわあ、ぱつんぱつん」
「これいいんだね」
 そしてふたりで息をあわせて
「「きもちいい?」」
「…いちいちハモるな。頭おかしくなるわ」
 そもそも答えるまでもないし。




「銀さんにいじってほしい人〜」
「「はあい」」
「いじってほしい人はケツこっち」
 言われた通り目の前にふたつのお尻がつきだされた。その中心には一本の下着が白い縦線を描いている。
 良い眺め。花びらがきれいにひもをはさんで、ふれたところをしとどに濡らしている。
 銀さんは指をひっかけて、それぞれのひもを引っ張ってみた。
「んん〜。見たカンジ、どっちもおんなじアソコしてんなァ?」
「そりゃあそーだよう」
「そーかな?」
 興味津々縦割れをなぞり、指先へからめとってみた蜜を順にしゃぶって味をみた。
「ん?かたっぽしょっぺぇけど違うモンもらした?」
「う、うそうそ!ヘンなこと言わないでっ」

 つづいてぷつりと指を埋めてみる。
「ひゃんっ!」
 瞬時にの背筋を走った悪寒が伝わってくるようだ。中でぐるりと指を返して腹の部分でこすってやると、けもののようにの腰が反った。
「あっ、あ、ああ、あっ、や、や、ああっ」
「や、やんっ、ぎ、銀、銀ちゃん、銀ちゃんっ…あ、ああっ」
「おっ?」
 右の中指が上側の壁をこりこりとひっかいた。
「どーもこっちのちゃんはァ、内側ざらざらしてんだけど?ほら、ここな。わかる?」
「ふあ、あ、あ、うそ、うそぉっ」
 左は手のひらごとたたきつけるように、奥をめちゃくちゃ突いてやった。利き手でないのでもどかしい。
「そー、だな、こっ、ちの、、ちゃん、はっ、」
「んんっ!」
「びみょー、に、浅い、気が、すん、だけ、どっ?」
「きゃあんっ!」

 ふたりとも顔をとろっとろにして下品なイタズラを悦んでいる。より恍惚と腰を揺らすのは右手にいじられているほうのだ。弱点を知りつくした指が、少しの寄り道もゆるさずにまっすぐを高めてゆく。
「ああんっ、あっ、あっ、いい、いいの、銀ちゃん、それ、もっ、もっとぉぉっ…」
「お〜締まってきた締まってきた。ん?イキそう?もうイクの?えっ?自分だけ?」
「ああっ、ごめんなさいっ、ん、んんっ、うんっ、いきそ…っ、んんんっ!」

 ぶるるっ!と身体が大きく震えた。くわえこんだ指をちぎりそうなほど、中がきゅううとちぢまり吸いつく。
 続けて2回、3回と背筋をびくびく引きつらせ、はぐったり力尽きた。


「あーらら」
 銀さんの目が愉しげに、息も絶え絶えなを見て笑う。布団へ突っ伏した頭を撫で、汗でほっぺへ貼りついた髪をいとおしそうな指がすくった。
「ねー銀ちゃぁん…」
「ああ悪い悪ぃ」
 そして今度はもうひとりの、取り残されてうらみがましい顔をするを抱え込んだ。
「よっこらしょっと。そんじゃあ『こっち』はおめーが先な」
「んっっ」

 下着はそのまま。ひもをちょこっとずらしたところへ勃起を深々と挿入した。それで正面から抱きしめてやると、なんのてらいもないその姿勢をは途方もなくうれしそうにした。
 少し息をついたもうひとりも、指をくわえてこちらを見ている。
「ふわ〜。いいないいな〜。いいなせいじょうい〜」
「何言ってんだ。自分だけさっさとイッちまったクセに。おめーはそこでおとなしくてめぇがヤられるトコ見てな」
「きゃんっ」
 語尾にあわせて深くえぐると下からの嬌声がした。


 言いつけどおり横からじっと、交わるふたりをは見つめている。けれどそのうちそのが不審なそぶりを見せ始めた。
「おめーってやつは…」
「だ、だってぇ…」
 きゅっと股間に手をはさみ、その中で何をしているやら。

「おっ?」
 ところがとっさに銀さんの目は、自分の犯しているを見た。中へ挿入していたモノが、ひときわ強く締めあげられたのだ。思わず腰を細かく送って狭さを堪能してしまうくらい。
「おおっ?どしたどした。なんだこれすげえ。なに?アレ見ておめーも気持ちよくなってんの?」
 声をこらえて唇をかみしめ、身体の下にいるは顔を真っ赤に恥じらっている。
 軽くしゃくったあごの先にはぴちゃぴちゃと恥ずかしい水音をもう隠す気もないがいた。
「見ろよ、あのスケベな女、どう思う?」
 答えたのはそのスケベなほう。
「やっ…だって、だってぇ…とまんない…ん、んんっ………っ!」
「お、またイッた?ひでえな、自分で?そっちのおめーはもうちょっと恥じらったほうがいいんじゃねーの?」
「ううっ…」
 矢継ぎ早に責め立てられるほど、は目のふちを赤くする。
 も下から銀さんの腰を両手で引き寄せた。
「ずるい、ずるい、ばっかり。も、もぉ」
「あ〜らごめんねえ〜?そっかぁ銀さんのちんぽ入ってんのにおめーは気持ち良くねえんだあ?」
「ち、ちがうよう、そうじゃなくて…」
「じゃーキモチイイ?」
「ん、きもちい…」

 けれども前後していた腰はすっかり動きを止めてしまっていた。懸命に目で訴えてみても銀さんはニヤニヤして取り合わない。
 これはわざとだ。ちがいない。察したがぜつぼうした。
「んんっ、もう、いじわる、いじわるしないで、はやく、ねえ、ねえ、」
「さあどーすっかな〜。おめーら銀さんにしてもらうより自分でするほうが良さそうだしな〜?」
「んあああんっ、ばかばかあっ」
「ひひひ、なにその顔。必死すぎだろ」
 とろーりねばりけの濃い糸をひいて、とうとう銀さんの銀さんはから残らす抜かれてしまった。
「やだぁぁぁっ」

 泣いて怒るにご満悦で、銀さんは仰向けに転がった。
「いいよ、ほら。おめーの好きにしな」
 おなかをすかせたペットのように、言われるやいなやが飛びつく。ぬらぬら光る男性器に自分からまたがりくわえこむと、堰が切れたような勢いでがむしゃらに腰を振りはじめた。
「んもう、ばか、ばか、ばかぁっ、は、はふ、ん、んっ、んっ、んっ」
「そんでおめーはこっち。ものほしそーな顔してねーで」
「うんっ…」
 とろんとけだるそうなの身体は引っ張りあげて顔をまたがせる。花びらと芯はもうびしょびしょだ。銀さんは一生懸命にとろみを舌でぬぐってやった。
「ひあっ…」
「ちょ、おめーは銀さんを溺れ死にさす気…?」
 なのにぬぐえばぬぐうほど奥から奥からあふれてくる。
 そこへまたしてもこぽり。蜜のかたまりがこぼれ落ちた。
「んっぷ」

 じゅるじゅる、ぶちゅぶちゅ、割れ目に鼻面を突っ込んで、銀さんは乱暴にすすりあげた。の喉からはひゅんひゅんと仔犬の甘えているような甲高い声が止まらない。
 水気にあっぷあっぷとしながら、もちろん時には腰を突き上げて、自分勝手にむさぼるへお仕置きするのも忘れない。
「ふあっ、あ、あっ、ひやっ!」
「はぁっ、あ、あ、あんっ!」
「「ああっ、あっ、あっ、だめ、あ、あ、あ、、あああああっ」」

 ばらばらだったよがり声がやがて同調、同期して、ひとつの響きになっていく。
「「も、もうっ、、もう…っ」」
「ちゃんと言いな」
「い、いっちゃう、ね、いっていい?も、だめ、だめっ、、もう、もうっ…………っ!」

 ぱんっ!!
 耳には聞こえない音がふたつはじけたのがわかった。
 じわぁ…とのもらした熱いもので、銀さんの顔とそれに股間はぐっしょり濡らされてしまった。





重いぃ〜」
「ううっ、おっぱいつぶれちゃうぅ…」
「ほら上のコはもっとケツだして。下のコはもっとひざ立てる。ちゃんと銀さんにまんこの奥まで見えるよーにしねえと入れてやらねーぞ」
「「ううぅ…」」
 どちらのも銀さんの破廉恥な言いつけに逆らえない。自分同士で抱き合っておねだりしろとまで言われても。

「さーてどっちに入れよかな〜?」
 まずはうつ伏せに尻を突きだしたへ先っぽがあてがわれる。それだけでの入り口は目に見えるほどひくついた。
「どーかな。やっぱこっちかな〜?」
 つまんでちょこっと角度を変えれば、下ではしたなく足を開かされたへ今にも挿入りそう。
 上下に並んだふたつのを思わせぶりにつんつんつついて、銀さんはすっとぼけてみせた。
「ええぇ〜?迷うぅ〜。どっちのに入れっかな〜?」
「「もぉぉぉぉぉっ!!」

「おっとすべった」
「「ちょっ!きゃああっ?!」
 じゅうぶんすぎる潤滑液でぬるぬるになっていた銀さんは、ふたりの隙間へなんの抵抗もなくぬるるんとすべりこんだ。
「やあああん!」
「おっ?案外悪くねーなコレ」
「あ、あ、あっ、もうっ、いじわる、いじわるぅっ…」
「も、やだ、やだぁ、ちゃんとしてよう…」
「ええぇ〜?銀さんもっと素股で遊びたーい」
 が、舌の根がかわかないうちに不意打ちで下のへ挿れてやった。ぬちっと毛と毛がこすれる奥まで。
「ふあんっ!」
 しかしすぐに抜いて今度は上。平等に奥を突いてやる。
「くぅんんっ!」
 下のへ挿れて2往復。上のでも2往復。ぐちゅ、ぐちゅっ、ぐちゅ、ぐちゅっ、抜き差しするたび卑猥な音がした。
「ああん、つぎは〜」
「やだやだもっとお、抜いちゃやああ」
「あ〜もお、おめーらワガママなんだから〜」

 どっちをひいきもできるわけがない。どっちのもかわいくてかわいくて。
「あ〜だめだこりゃ、こっちがもたねぇ。お前ちょっとだけ我慢してんだぞ」
「えっ?」

 越しに下のへと目くばせ。直後に銀さんのこわばりは上になったを貫いた。
「ふえっ?」
 有無をいわさず腰を打ちつける。の尻たぶがひっぱたかれてぺったんぺったん音を鳴らした。
 急な仕打ちに思わずが手近なものを抱きしめて耐える。
 手近なものとは、の身体だった。
「きゃっ、ああっ、あっ、ああっ、ああんっ」
「ちょ、待っ?くるしっ…、ちょ、、ぎゅうって、ぎゅうってしちゃ、だめっ…」
「やっ、でもっ、むり、む…っ、んむっ…」
「ひんっ?!」
 吸いつくような自分の肌と、間近に香る自分の体臭がをおかしな気分にさせる。ぐるぐると目を回すそんなを、またもやの身体越しに銀さんが眺めているのだった。
「待ってな。次はおめーの番な?」
「うん、うんっ、銀ちゃんと、すっごい…えっちぃ…」
「ふあっ、あっ、あっあああっあっ、ああっ!!」

 上で絶頂を迎えたがぐんにゃりととへ身を投げ出した。の大好きな、しあわせな重みだ。
 つぶれて苦しい息の間からごしには銀さんと目を交わす。
「待ってた?」
「…うん」
 その目はきっと期待でいっぱい輝いていたに違いない。もようやく、待ちに待ったものをもらえるのだ。
「んっ…」
「どう」
「…うん、うん」
 じんわりとの身体の中で銀さんが大きくなっていく。
「だいすき。銀ちゃんだぁいすき」
 何度も何度もささやいて、は自分にのっかるごと銀さんの身体を抱きしめた。


「…あ、ま、まって、、ここ、どくから待って…」
「いいよう」
「いいんじゃね。このまんまで」
 も銀さんもを離さない。銀さんはをまとめてふたり、は自分と銀さんを、それぞれひとり多く抱きしめる。真ん中のをはさんでつぶして、みっつでひとつの身体になった。
「はっ、や、だめ、だめ、ね、また…」
「銀ちゃん、銀ちゃん、も、もっ…、」
「ああ…、銀さんもそろそろ、やべぇ」
「「うんっ…」」
「………っ!!」

 声も出せずにその瞬間。密度のうんと濃い白濁を銀さんはに注いで果てた。














 「両手に花」で銀さんはこの世の春を謳歌中。両腕まくらにを抱えて布団の上でごろごろと、かれこれ半刻が経とうしていた。
「どんなかんじだった?」
「まァ悪かねーな」
「来年もする?」
「月イチでヤってもいいんじゃね」
「「もー!」」
 その返事よりも、答えながら乳を揉むというおっさんくさい銀さんに左右のが顔をしかめた。
「なあこの道具?だか薬だかしらねーけど。コレあとどんくらいもつの?」
「「朝までだって」」
「へぇ」
 それなら時間はまだたっぷりある。
「おめーら最初になんて言ったっけ?」
「「?」」
「ほらぁ、脱ぐなり言ったじゃーん」
「「『プレゼント』ってこと?」」
「そうそれそれ。てことはまだまだおめーらふたり、銀さんの言うこと聞いてくれるはずだよなァ?」
「もちろん」
「おたんじょーびだもんね」

 白々しくも言質をとると、銀さんはふたりの手を取ってしんなりとした銀さんを握らせた。
「あらまあ」
「がんばれ」
「うるせーわ!!」


 小娘どもをぽかりと粛正。気を取り直して起きあがると銀さんはたちからやや離れて、どっかりあぐらをかいてみせた。
「じゃあ、そーだな。銀さんがもっかい元気になるまで、おめーらの舐めあいっこでも見せてもらおうか」
「「えええっ?!」」

 ふたりがかあぁっと耳まで赤くして、けれどどちらの瞳にもほんの一瞬よからぬ光がよぎるのを銀さんは見逃さなかった。
「あれ?できねえの?プレゼントなのに?」
「でもぉ…」
「そ、そーだよ同士でそんな…」
 うそうそ。
 ぎゅっと握りあう手と手を見れば、答えなんて聞くまでもない。



 日付はとうに変わってしまって翌日になっていたけれど、気持ちの上では次の朝、目が覚めるまでは前の日だ。
 そうしてふたりのと銀さんは窓の向こうが白むまで、お誕生日の残った時間を遊びつくしたのだった。








 銀さんことしもおめでとー!