外は雨。でも目を覚まして窓を見て、はとっても嬉しくなった。
今日はお店もお休みだ。このまま寝ててもちっともかまわない。冷蔵庫には食べ物もあるし買い物に行く必要もない。この雨じゃあ洗濯もしなくていい…じゃない、洗濯もできない。ああ残念!
出たくても、この雨でどこにも出られない。なんて幸せなんだろう。
今日は銀ちゃんと部屋に二人きりだ。
はぎゅうっと銀ちゃんの胸にしがみついた。んー…と寝ぼけ半分の声が返ってくる。ももうひと眠りと目を閉じた。
次に目覚めると反対に、銀ちゃんの腕にはぎゅうっと抱きしめられていた。交代で起きて、二人して同じことをしてる。
頭のてっぺんにキスされる。のっそり気だるく、緩慢な動きで銀ちゃんはに身体をこすりつけた。何も身につけていない素肌がぴったりと触れ合う。二人とも少し汗ばんでいて、そこから溶け出して混ざってしまいそうなかんじ。
「…なんかするの?」
「あー無理。そりゃ無理もう無理」
何回言うんだと無性に笑いがこみあげた。くすくすくすくす。
「だろうねぇ」
くすくすくすくす。
昨夜のことをいろいろ、すみずみまで思い出すと、恥ずかしい以上に可笑しくてたまらない。
なんでも笑える。変な薬でも決めたみたいだ。
が笑うのを最初はむすっと不愉快そうに、けれどそれから銀ちゃんも、負けじとにやにや意地悪に笑った。
「まったくだ。誰かさんがあんまりしつこいもんで銀さんくたくたですぅぅ」
寝たままは向こう脛を蹴った。その言葉はそっくりそっちに返すんだから。
銀ちゃんの身体に手を伸ばす。もぞもぞと下へ動かして、ぐんにゃりと萎びてしまっていたものを撫でた。
「なに、くすぐってーし」
「よしよし」
「バカ」
赤ちゃんのおしゃぶりみたいなもので、なんとなく握っていたいんだけど。銀ちゃんわかってくれないかな。
にぎって、離して、揉んでみても、いつもみたいな勢いではぜんぜん大きくなっていかない。
けれどもが手を止めてしまうと、銀ちゃんは物足りなさそうにした。
「もっと」
「疲れてんでしょ?」
「けどいじってもらうなぁ気持ちいーよ」
「そうなんだ?」
それじゃ、ともう一度握りしめる。ふふっ、とまたしても胸の奥から笑いがこみ上げた。ホントに頭がおかしくなってしまったみたいだ。
イヤじゃない、と聞いたので存分にさわってみることに。銀ちゃんに腕枕をされて、和みながらこんなことしてるだなんて、変だと思わなくもない。これって一応イヤらしいことをしているはず。なんだけど。
そうだろうか。本当に?
輪にした指でぐにっと竿をしめつける。ひくんと銀ちゃんの腰が浮いた。ごしごしと上下にしごいてみる。ふう…と銀ちゃんはこっそり息を逃していた。
「きもちいーの?」
「そう言ってんだろ?」
じゃあこれはどうなんだろう、袋を指先でくすぐってみたら怒られた。
「遊ぶんじゃねーの」
「ごめんなさい」
つん、と軽く頭をつつかれた。はお布団の中にもぐる。軽い肌掛け布団の中は、むわっと甘ったるい匂いに満ちていた。
半勃ちになった銀ちゃんのものをぺろりとひと舐め。苦くて、そのあと甘かった。
と銀ちゃんと、二人分の体液でへったべたの性器がとても愛しい。先端から順に、はそれをきれいに舌で清めはじめた。ちろちろと鈴口をまず舐める。手を添え持ち上げて裏側も丁寧に。くびれまでを口に含み、根元は指で締めつけた。
それだけしてもいつまでもだらんとぶらさがっているものが、安心なような物足りないような。
だって今朝はもう無理。でも銀ちゃんがあんまり気持ちよくないのかも、と思うと少し心配になったりもする。のやり方下手なのかな。
口に含んだ肉棒をちゅるっ、と強く吸ってみた。締めつける指も狭くした。腰がまた跳ね、くっと銀ちゃんの喉が鳴った。
その反応に勇気付けられ、もっともっと丹念にご奉仕を続けた。
「も…」
「え?」
肩を引かれて顔を上げる。
「なあに…」
「おめーも、こっち」
「い、いいよ、はいいよ、だって…」
銀ちゃんの言わんとすることがわかっては慌てて手を振った。
「いいから、ほら、ケツこっち向けな」
「でも…」
「いいから」
「でも…」
「はやく」
「…ん」
「ほら」
「………うん」
まあいいか。
は言われたとおり身体の向きを変え、銀ちゃんの顔にまたがった。雨といっても外は明るい。こんなのきっと丸見えだ。いつもなら絶対こんなことできない。今朝はなんだろう。
さっそく銀ちゃんの人差し指がのあそこにつぷっと埋められる。は思わず腰を引いて逃げた。
「だめぇ…もう痛い。ひりひりする」
「こんなに濡れてんのに?」
「バカ」
今濡れたわけじゃなくて、ゆうべのがまだ乾いてないだけだ。そもそも半分は銀ちゃんの液体だし。
「痛ぇなら…」
と、銀ちゃんはちゅうっとそこに口をつけた。
「きゃあっ…や、やだよ、やめなよ」
とろとろだって言ってるのに。きっと匂いもすごくする。
なのに銀ちゃんは気にもしなかった。開きっぱなしの花びらを舐める。がしたのと同じように、舌を使ってきれいにしていく。こびりついていた粘液を舐めとり、それから舌先を注意深く挿し入れた。
「ん…」
「痛い?」
黙って首を振ったけれどもの顔はまだお布団の中だ。銀ちゃんに伝わったかどうか。
「あぁ、ほんとだ、中まで真っ赤だわ。こりゃひりひりするよな…?」
指でぱっくり広げられ、まじまじ見られてしまっている。花びらをつまんで調べられた。それから再びを舐める。割れ目にそって、単純な動きで、その代わりとても丁寧にぴちゃぴちゃ。
の身体は疲れきっていたけれど、いや、いたからこそか。だんだんおかしな気分になった。
鼻にかかった息が漏れる。くふん、と甘えた鳴き声も出た。
「おめーも」
「…うん」
も目の前の銀ちゃんをまた舐めようとするものの、さっきまでのようには集中できない。どうにか握って、形だけは手を上下させながら、ともすればすぐ身体の芯に気をとられた。
「なかなか、きれーにできねぇ」
銀ちゃんは、ずずずっと音をたてて蜜をすすった。
「あれ?これ、もしかして、中から、新しいの、湧いてね?」
「もうっ、また、そんないじわる言うっ…」
からかう声に身がすくむ。お返しにがじっと竿に噛みついてやった。
「ててっ、こらっ」
「はんもふあふらおー」
「は?なんて?」
柔らかくほぐれたの中へ、銀ちゃんが中指をゆっくりと埋め込む。今度は痛くなかったし、銀ちゃんも何も訊かなかった。ねっとりと指をくわえこんで、まとわりつく粘膜の感触は、指先の方が敏感にわかるはず。
「欲しくなってきたんじゃね?」
は答えず銀ちゃんのものをぎゅっとしごいた。
「入りそう?」
のあそこは痛くないかと訊いたのか、それとも銀ちゃんのものの硬度を訊ねたんだろうか。
がもぞもぞ這いずって姿勢を変える。
くるりと身体を反対にして、顔を見ながら股間にまたがった。指を添え、それを自分の入り口にあてがって、先端でぬめりを塗り広げる。
「いれたい…、いれるね?」
「…ああ」
その瞬間は銀ちゃんが手助けしてくれた。
ぬぷりとの膣内を、熱いかたまりが犯した。
やっぱりいつもより力がなくて、危うく抜けてしまいそうだ。ぐぐっと奥まで身体を沈めて、抜けない姿勢を確保して、はようやく息をついた。銀ちゃんの肩に手をついて、
でも、それだけ。だるくてとても腰なんか動かない。
その代わり、にっこりと顔がほころんだ。の中でじわじわと銀ちゃんが存在感を増している。けれどもそれは灼けつく快感とは無縁だ。そっちはもう、いやというほど昨夜味わった。
の下では銀ちゃんも目を閉じ、お風呂に入っている時みたいな、ひどく弛んだ顔をしていた。
「気持ちいい?」
どちらからともなく、訊ねて、見つめあい、くすくす笑う。
ぴくん、と敏感な部分が小さな痙攣を感じとって収縮した。
「ふぁ…、あ…、今、ね、中で銀ちゃんのが、ぴくんて、した…」
「も、今きゅっ、て、すげぇ締まったよ」
ぴく。
「あ、また…」
「も、な」
つつーと喉に指を這わされ、は身体を震わせた。
銀ちゃん以外は誰も知らない、身体の奥深い部分が銀ちゃんでいっぱいに満ちている。
「べつに、、欲情しちゃった、わけじゃ、ないよう…?」
伏せた目に、頷く銀ちゃんの顔が映った。
「くっつきたかっただけだから、ね?」
これ以上ないくらい、ぴったりくっつきたかっただけ。
くすくす、笑いがこみあげてくる。
やっぱり今朝はずっとおかしい。も、たぶん銀ちゃんもだ。
「だぁいすき…」
「ん、知ってる」
蕩けたあそこは繋げたまま、は身体をぽてんと倒した。銀ちゃんの胸に頬をすり寄せ、目を閉じる。
今日はお休み。
銀ちゃんとぴったりくっついたまんま、ずーっとこうしていられればいいな。