思えば徹夜なんて生まれて初めて。
 けれど眠気はしなかったし、内側がじくじく火照っている他は身体にも目立った不調はなかった。終始考えこんでいたけれど、それはそれで「注意散漫」とは真逆の状態。神経は張りつめきっていたから小さなつり銭の間違いはおろか、苦手な帳簿にも不備はなかった。
 つまり自分は、冷静そのもの。
 昨日から節目なく連続している長い一日がようやく終わり、は店じまいにかかっていた。


 のれんを下げて戸をたてて、手際よく椅子を上げていく。あえて後のことは考えまいと、無心に雑巾掛けをした。
「ごめんよ、もう終わりかい?10本ほど包んで欲しかったんだけど」
「はぁい、大丈夫ですよう。まいどありがとうございます!もう終わりだから半額におまけしときますね」
 駆け込んできた年増の客にそつのない受け答えをすることで、さらに落ち着きを再確認。大丈夫は大丈夫大丈夫。

 するとその客の背後からもうひとつ大きな影がさした。片袖を抜いた着物へ懐手、まっすぐ立っているのすら面倒くさそうな銀時だった。
 と一緒に徹夜だったはずだが、仕事のないのをいいことにこちらはちゃっかり一眠りしたのだろう。気だるく見えても身のこなしは軽い。ぼんやり据わった眠そうな目は、眠いのではなくこういう顔なのだ。
「おう毎度ぉ」
 にではなく、客へ向かってえらそーに。この店の客へこの男がそんな風に言う筋合いはないし、もしもオーナー気取りでいるなら大事なお客様にその口のきき方はない。
「おめーは具合どーよ」
「え、あ、うん…、べつに…」
「無理すんなよ」
 に対してはすれ違いざま、尻を叩いて奥へと消えた。


「あらお熱いこと。うらやましいねぇ。あたしゃもう何年もそーいうのはご無沙汰だよ」
「げっ、想像しちまったじゃねーか!気色わりぃこと言うんじゃねぇババァ!」
 お約束のその冷やかしに、一度は消えたのれんの向こうから顔だけ出して銀時が噛みついた。

 …と、それはとりたててどうということのない、よくある応酬だったはずなのだが。
「………あれ?」


 自身訳がわからない。身体が急に騒ぎだした。
 平温だった血液がぶくぶく体内で沸きたつ感覚。温度に比例し血流は早まり、身体の端々、爪の先にまで怒涛の勢いで行き渡る。巡る血液は全身をみるみる真っ赤に染め替えた。
「?…っ?は…、な、な、なに…?」
 見開いた白目まで赤い。
 下ネタとも言えないあの程度の軽口、今までだって飽きるほど聞かされていたはずなのに。物騒な街で娘ひとりが店をやるのは無用心、だから便宜上銀時は用心棒兼の「男」ということになっていて、誰もそのことを疑わなかった。
 少しでも眠そうにしていれば、それしか頭にない連中がニヤニヤ下品に笑ったものだ。あのおばちゃんと同じ顔をして「おやおやゆうべはお楽しみかい」

 はくっ!とは息をのみ、肌の赤味はさらに濃くなった。昨夜の…いや、今朝方までの「行為」がありありよみがえったのだ。
 は「あんなこと」を毎晩していると町のみんなに思われていたのか。しかもそれをへらへら否定もせずに「ええ、まぁ」なーんて笑っていたのか。

 そして銀時にも。あんな姿を、見られて、さらして、声を聞かれて、そのうえ、あんな、中の中まで…!
「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!?」


 最後の客をいつどうやって送り出したか覚えていない。整然と片付いた暗い店で独り、は頭を抱えていた。
 火照った顔が元に戻らない。ひざががくがく震えてきた。
「どうしよう…うわあぁぁ…ど、どうしよう…」
 …今からどんな顔をして銀ちゃんに会えばいいんだろう。







「待ってて、すぐに、ごはんにするね」
 ボロの出ないよう頭の中で練習に練習を重ねた一言を、牽制球として投げた。「おーう」と気のない返事が来る隙に顔を見せないよう台所へ避難。
 ところが流しへ立ったとたん、足音もなく寄ってきた銀時には抱きすくめられてしまった。
「はひっ…!?」
「おー体温高ぇ。やっぱ寝不足か。悪かったな」
 背中から胸まですっぽり包む温もりには呼吸もできなくなる。口をばくばく、酸欠の金魚そのものだ。なんでもない声にも全身は硬直、金縛りにあったようだった。
 我ながら、この慌てようはナイと思った。だってゆうべはもっと激しく…
 ぶるぶるぶるっとは首を振った。
 失敗。いらぬ回想をしてしまった。

 見れば自分の指先は爪の中まで赤かった。
 なのに銀時はの気も知らず、気持ち良さそうに背後からのほっぺたへ頬ずりしている。腹の上では帯を留める紐が今にもほどかれようとしていて、もしかして…と竦む自分をは懸命に叱咤した。
 求められるのはだいかんげいじゃないか。ずっと一緒にいてもらうためには自分を差し出したのだから、銀時が欲してくれるのは、捧げものがお気に召したということで、そうそう、つまりは、のたくらみがまんまと…
 思っている間に帯締めがほどけた。
 うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
 は出来の悪い石像になった。

 紐がもう一本解かれると背中で帯の山が崩れる。を圧迫していた帯地が足元へ落ちて山になっていた。
 けれど代わりにの胸は違う何かに締めつけられて、満足に息をすることもできない。失敗した振袖の着付けよりひどい。
 ど、ど、ど、ど、どうしよう…!

 ついに唇が耳に触れた。耳たぶを軽く食みながら何かをささやこうとしている。ゆうべもそうして銀時はに艶めいた睦言を繰り返した。
 思い出すまいとしても無理。
 指が震える。
 目が回る。
 あることも忘れていた心臓が、思い出すと同時に早鐘を打ちだした。

 そして、とうとう耳元で
「…………………ぷっ!」


 …唾を吹いて思いきり笑われた。





「……………………は?」
 拍子抜けしたが振り向くと銀時は身体を二つに折り曲げぴくぴく苦しげに悶えている。
「…も、もうムリ、これ以上ムリ、もう我慢できねぇ!」
 声は尻上がりに高くなり、頂点でついに破裂した。部屋を揺るがす大爆笑がの耳をきーんとつんざいた。
「お前さっきからかちんこちんじゃねーか!一日そんなんだったわけ?も、もーちょっと落ち着け!落ち着けって!ぶふっ!ダメだ止まんねぇ」
 ぎゃははははははは!


「な…、なによう…」
 色を失いかけた顔がふたたび真っ赤に染まったのは、今度は半分怒りのためだ。そーだこいつはこういう奴だった!をからかってばっかりで、に意地悪ばっかりして!
 すぐを笑う。ばかにする。恋人になったのに、なーんにも変わらない!
「な、なによっ!なによう!だって、だって…っ!もうっ!」
 悔しくて、そして反面安心もして鼻がつんとした。

「そーかそうか笑っちゃ悪いな、そーだよな」
 そう言いながら馬鹿笑いはそのまま、銀時がを引き寄せた。小脇に抱えて引きずって、部屋の反対の押入れへ。空いた手で中の布団を引きずり落とし、つま先でちょいちょい崩して敷くと、端っこがまだ折れ曲がったままの布団へごと寝転んだ。
「え?な、なに?銀ちゃんなに?え?え?」
 の抵抗は相手にもされない。
「まあまあまあまあ、いいからいいから」
「まあまあって、ちょ、ごはんしなきゃ…」
「飯なんか抜いたって死にゃしねーだろ」

 きょとんと動きの止まったから着物が一枚剥がされた。硬い仕事着を丸めて放ると次はその下の襦袢へ手が伸びた。
「寝不足の方がよっぽど健康に悪いんだよ。今日はちゃんと寝ねーと身体壊すぞ」
「うん…」
「つーわけでだな、今から始めりゃいくらなんでも日付けの変わる頃にゃ終わるから」
 言うなり銀時はに乗っかった。



「えぇぇぇぇぇぇっ?!ま、待って、待って待って、そんな、あのっ、待って!待って!銀ちゃん!銀ちゃんっ!」
「ざーんねんでした。待ったはナシです」
 襦袢の衿が広げられ、中の丸みがこぼれそうになる。
「…………っ!!」
 はそれでまた我を忘れた。落ちた陽の代わりにネオンが灯り、部屋は照明も要らないほど明るい。その中で肌をさらされる。はずかしい身体を見られてしまう。こらえようとしてもいつかそのうち、ゆるんでよがってしまう顔も。
 そしていずれは…、その部分も。
「うわわわわわわわっ!だめっ!だめだめだめだめぇっ!」
 動転のあまり銀時へ抱きついた。一分の隙もなくぴったりと。

「うお?!なに?お前?イヤなのかしてぇのか…」
 銀時はなにもわかってくれない。とっさにこの男の身体しか、身を隠せそうなものがなかったのだ。
 蚊のなく声でがやっと言った。
「み、みみ、見るの、だめ、見ないで、見ちゃ、だめ、ぜったい、いやっ」
「は?」
「あ、あれの時、、変、変な顔、なるし、む、胸、とか、あ、あ、あ、あそこ、とかっ…は、恥ずかしいから…っ」
 それを言う顔も突っ伏して見せない。
「ははっ、あぁなるほど。そーいうことね」

 案外あっさり言われてショックだった。
「だ、だって、ほんとに、ほんとに、恥ずかしいんだよぉ…?」
「そっかそっかわかったわかった」
 ひとまずの上から下りて、銀時は傍らへ横になった。「これならどーよ」との頭を抱いた。顔を見せずに済むように、胸の中へくるみ隠してくれる。ほーらほーらよしよし。犬か猫の仔にするような手で、髪をくしゃくしゃに撫でてくれた。

 からはなにも見えないあたたかな暗がり。確かにこれなら恥ずかしくない。自分の吐く息の行き場がなくて、若干暑苦しかったけれど。
「…ったく、出血大サービスだよ」
 渋々、道化た口ぶりは、けれど楽しそうにも聞こえた。


 やがてらしくもなく、静かに諭された。
「恥ずかしいのはお互いさまだろ?俺の情けねー顔だってお前たっぷり見たじゃねーか」
「そうだっけ?」
「ヤだよこのコはこれだからもう」
「ご、ごめん…」
 そんなに自分勝手だったかと、は恥ずかしくなってしまった。けれどもそれはそれまでの身体を暴れ狂う恥ずかしさではなく、どちらかといえば照れくささ。
 胸がほっこり温まり、自然に顔が苦くほころんだ。
 苦笑いでも少し楽になった。


「なに。見られんのが恥ずかしいって?」
 こくんと小さく頭を揺らした。
「顔もまともに見れねぇって?」
 ふんふん、頭に顔をうずめて髪の匂いを味わわれている。これも照れくさかったのだが、は我慢して逃げなかった。
「わかったわかったじゃ今日は見ねぇよ。ほんとこれが最初で最後だからな。あとはお前一生銀さんのオモチャになんだぞ」
「うん?」
 とりあえずうなずいてみせたに銀時がにやりとしたけれど、その意味は当分わからなかった。





 分厚い胸板に顔を伏せたまま。目も見ないまま、キスもしないまま、抱きしめ身体をまさぐられた。閉じた目のぶん肌の感度が研ぎ澄まされて、には自分を這い回る手のひらの大きさまでわかった。
 手のひらは太ももや尻を揉みしだき、背中を大きく撫でさする。最初の時は何をされても驚くばかりだったけれど、これでも銀時はの反応をちゃんと見ていてくれるのがわかる。少しでも身を引く素振りがあれば、すぐさまその手はやわらいで、二度と同じ場所は痛くされない。
 身体の力が抜けたのは、言葉にすると面映いけれど「信頼」のようなものだろうか。身を任せても大丈夫だと身体がやっと納得したのか。触られてきもちのいい場所には、かすかな反応もするようになった。くふっと甘い息の漏れる場所を、うれしそうに銀時はくすぐってくれた。
 縮こまっていた腕を伸ばしても銀時の背へ回した。はただ、はしたない姿を見られてしまうのが恥ずかしいだけで、銀ちゃんにこうされるのがいやなわけでは全然なくて…。
 それがつたわればいいなと思った。

 やがてふたりの抱き合う隙間へ窮屈そうに手が入れられ、のふくらみにそっとふたをした。
「お前けっこうでけぇのな」
「そっ、そんなのいいのっ!言わなくていいの!」
 ちらりとのぞく耳も真っ赤っ赤だ。


「なぁ、さわりてぇ」
 さわっているのにおかしなことを言う、思ったけれどすぐに気づいた。
 見られないならかまわないかな。うなずくとはうつぶせにされた。襦袢も下着も、身につけたものはまくり上げられてしまったが、あらわになったのはせいぜい太ももとその延長のような尻。それも銀時が覆いかぶさりほとんど隠してくれてある。恥ずかしくないとは言わないまでも、大股びらきにされるよりずっとまし。

 熱をはらんだ指が一本、尻の割れ目を前へ伝った。身を硬くして待つのそこを、表面ばかり撫でていった。
「おっ、ぬるぬるー」
「そ、そーいうの言うのもナシ!だめっ!だめ、だめっ!」
「んだよめんどくせーなー。黙ってやれっての?お通夜じゃねーんだよ」
 文句たらたら、それでもおとなしく黙ってくれる。
 それにのそこが潤んでいるのは言うまでもなくわかることだ。輪郭を一度なぞっただけで、指はべっとりを弄るには十分過ぎるぬめりにまみれた。指先を付けて、離すと、はっきり卑猥な水音がした。
 あえて触れずに黙っているほうが、むしろその音を意識させられた。



 不意をつく声にどきりとさせられる。
「名前ゆーのはアリ?」
 ご丁寧にお伺いをたてられた。
「…………うん、アリ」
「そ」

 それから何度も、何度も何度も、耳の穴がそれで埋まるほど、甘ったるい声で呼ばれ続けてはだんだんぼーっとしてきた。
 つぷりと指が埋められていた。でも、引きつる痛みはもうなかった。
 布団の中に顔を伏せ、は細かに身を震わせた。くちゅくちゅ音をさせながら浅いところがくじられている。心は銀時の呼ぶ声に、身体は指にかき回されて、何もかもどうでもよくなってきた。
 さっきまでの狼狽が嘘のよう。あれほどの騒ぎがこんな簡単に。
 ってもしかして異常だろうか。

「…な、思い出してみな」
 今度も口にしたのはそれだけ。けれどやっぱりすぐにわかった。ぴたりと肌を触れ合わせ、銀時のしようとすることをひとつ残らず受け止めたくて耳を澄ませているせいか、言葉はいらない。なんでも通じる。
 ゆうべのそこは銀時に、どうされたか思い出せと言われたのだ。

 どきどき高鳴る胸を押さえつつ、こころおきなく反芻する。の身体はこじ開けられて、中に何度も吐き出された。は銀時でいっぱいにされた。
 終わると銀時はの上へとぐったり身体を投げ出してきて、無防備すぎるその重みと、幸せな気持ちをは思い出した。


 だからその時。硬い熱があてがわれた時にはもう、はそれをすっかり待ち焦がれていた。
 銀時のものが、猛りが自らを探っていた。肉をぐいぐい押しながら、もっと奥まで深く埋まれる場所がないかと探していた。
 そして見つけた。柔らかく熱く蕩けたぬかるみ。

 圧迫感と違和感をともない銀時が押し入ってくる。んぐぐと思わず奥歯を噛みしめてしまう程度にはまだ痛い。
 だが行為自体が快感でないのはにはどうでもいいことだった。そばで銀時が息をつく。はぁぁ…と深く満ち足りたためいき。そんな声を銀時に出させる自分がにはとても自慢だった。
 の背中に銀時の胸が、尻に下腹部が、太ももに太ももが。
 そして布団をつかむ手に手が重なった。


 根元まで挿れてうずめたところで、銀時はじっと動かなくなった。一緒になって緊張していたら笑い含みにささやかれた。
「おめーは黙ってなくていいんだよ」
「ん…でも…」
「ほら」
 何か言え、と入ったものを揺すられる。
「んっ…」
 けれども何を言えばいいのか。それでは一日考えていた心配事を訊ねてみた。

「ね、銀ちゃんは、きょう、のことかんがえた…?」
「…調子に乗ってんじゃねーぞクソガキ」
「さっき出血大サービスって言った」
「血ィたらしたのはおめーだろ」
「…最低」

「おめーはどうなんだよ」
「考えてたよう。もういっかい、きのうみたいにしてもらえるかなあって」
 ひひっと好色な笑いが聞こえる。なにを考えたかそれもわかった。
 違うのに。
「そんなんじゃないからね」
「へへへへ照れるこたねぇじゃねーか。覚えたてってなそーいうモンだよ」
「ばか」
 やっぱりなんにもわかってない。
 きのうのことが銀ちゃんの気まぐれだったらやだな。はそれを心配していたのに。
 そうでなくともこの男の悪いくせ。親切のつもりで、自分ではの為になるつもりで「一夜の過ち」なんてことにされたら、一から全部やり直しだと、はそればかり悩んでいたのに。
 そう言われてもきょとんとしている。ほらもう、なーんにもわかってない。

 それどころか鼻で笑われた。
「わかってねーのはおめーだろ。おめーの仕事が終わるなり、銀さんのこのこスケベ面ぶら下げて…」
「え?なぁに?」
「…いや、もういいや」
「…?」


 には答えず苦笑い。それきり銀時は口をつぐんで行為に集中しはじめた。
 大きく出し挿れはしない。叩きつけるようにこすらない。ゆうべのやり方とは違った。半分抜いては角度を変えて、行き止まりまでゆっくり押し込む。上下左右のどの面も堪能しようとするかのような。

 布団へ沈みはされるがまま。ふと目をやると銀時の手が自分の手に重ねられている。何か自分もしてみたくて、その手を抜いて重ねなおした。
 手の甲をなぞると銀時が震えた。反応されたのがうれしくて、もっとくすぐると逃げられた。
「?」
 不思議に思い追いすがったら、あれをねじこまれた。ぐいぐい激しく。
「やっ?!痛い!いたっ!いたっ!それ、だめっ痛い痛い!」
「よけーなことすんなバカっ」
「よ、よけ…、はっ、あんっ!あっ、はっ、いたっ、痛っ、あっ!い、いたっ!」

 激しくされてもの喉を衝くのはかすれた息だけ。
 それが次第にひとつふたつずつ、妙な甘味が混じりはじめた。
「んあっ、あっ、はっ、やんっ、だめぇ、あぁ、あっ、ああんっ…」

 …気づけば銀時は動きを止めて、慎重に息を整えていた。


「は…っ、あ……、ど、どうしたの?ごめん…、なんか、、へんなことした?」
 困って訊ねてみるものの、すーはー深呼吸がきこえるばかり。
「ね、銀ちゃん…?」
 肩越しに振り返…

 …ろうとして、顔から布団へ沈められた。
「見んじゃねぇ」


 もしかして今「情けねー顔」とやらをしてるんだろうか。







 の寝不足が解消するのは結局数日先だった。










リクエストありがとうございました!
P子様から「昔の頃のヒロインのH。まだ銀ちゃんにされることに 戸惑い気味のヒロインちゃんが見てみたいです」でした。
恥じらい200%増(当人比)を心がけてみました!